植物学者だから草食系男子とは限りません。13人の子だくさんだった牧野さん、食生活もかなりの肉食系だったようです。

93歳の時に綴った著書の中に「私の好きな牛肉」というタイトルのエッセイがあり、「あなたは食べ物の中で何が一番好きかとよく聞かれるが、その場合、私は何の躊躇もなく牛肉だと答える」と書かれています。

そこでは自分はどれほど牛肉が好きかということについて長々と語っていて、極上等なビフテキは天下一の味だと言い、牛鍋の味付け
や焼き加減、食べるタイミングに至るまでマニアックに記しています。

牧野さんが初めて牛肉を食べたのは明治3、4年、9歳か10歳の頃で、佐川では牛肉は穢れるから家の中で食べてはいかん、火も
別にせねばいかんということで、家の倉の前の庭で煮て食べたそうです。

93歳になっても牧野さんは耳が遠くなったものの、まだ老眼
鏡も要らず、手の震えもなく、後年、次女の鶴代さんも「父はすき焼きが大好物で牛肉をいただいたせいで、こんなに長生きしたので
はないか」と語っています。